日本政府観光局(JNTO)が19日発表した2015年12月の訪日外国人客数(推計値)は、前の年と比べ43.4%増の177万3100人だった。12月としての最高を更新した。訪日中国人客数は前の年と比べ82.7%増の34万7100人。15年11月の75.0%増から伸び率が拡大した。外国為替市場で円相場が安値圏で推移し、日本での買い物に割安感があるほか、査証(ビザ)の発給要件の緩和、航空路線の拡大などの条件が重なった。
全ての国・地域の15年累計では前の年から47.1%増え1973万7400人だった。過去最多だった14年累計の1341万人を上回った。出国する日本人は4.1%減の1621万人で、45年ぶりに訪日客数が出国日本人を上回った。政府は従来、20年に2000万人を目標にしていたが、上積みを検討している。
特に訪日中国客は約2.1倍の499万3800人。500万人目前まで増え、訪日客全体の25%を占めた。韓国、台湾、香港と続き、これら4つの国・地域で72%を占めた。欧米各国も含む主要20地域では、ロシアを除く19地域で最高を更新した。
同日観光庁が発表した訪日外国人消費動向調査(速報値)によると、15年累計の訪日客の旅行消費総額は前の年から71.5%増の3兆4771億円だった。過去最高だった14年の2兆278億円を上回った。1人当たりの旅行支出は17万6168円だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕