【シリコンバレー=小川義也】米グーグルは「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる人工知能(AI)の最新技術を搭載したスマートフォン(スマホ)の開発に向け、米半導体ベンチャーのモビディアス(カリフォルニア州)と提携した。モビディアスが開発した画像認識用の省電力半導体と関連ソフトをグーグルが採用する。
人間の脳の仕組みをまねたディープラーニングは無数のデータから特徴を自力で見つけ出す。グーグルは昨年、スマホなどで撮影した写真をクラウドで保存・共有するサービス「グーグルフォト」を開始。ディープラーニング技術を駆使し、写真から「人物」「場所」「モノ」などを自動的に抽出・分類し、キーワードで検索できる画像認識機能が話題を呼んだ。
ただ、撮影した写真をクラウドに転送するのに時間がかかる上、ネットにつながらない場所ではスマホから検索できないのが難点だった。
スマホに画像認識機能が内蔵されれば、カメラで撮影した被写体をどこでもリアルタイムで認識できる。スマホで決済する際の顔認証や、標識や看板の翻訳など様々な使い道が開ける。グーグルは製品化の時期など詳細は明らかにしていない。
「コンピュータービジョン」と呼ばれるAI用の半導体を専門とするモビディアスは、屋内空間や被写体を3次元(3D)画像として認識するスマホやタブレットを開発する「プロジェクト・タンゴ」でもグーグルと協力関係にある。