帝国データバンク金沢支店は2015年度の北陸3県の企業倒産集計(負債額1000万円以上)を発表した。倒産件数は170件と前の年度比25%減少したが、負債総額は2.4倍の1139億円だった。北陸新幹線の開業効果などで地域経済が上向き、件数は減少傾向だったが、大型倒産の発生が響いた。
負債総額が1000億円を超えたのは12年度以来。江守グループホールディングスの経営破綻など大型案件が相次いだ。販売不振や不良債権の累積などが原因の「不況型倒産」は23%減の140件だった。
業種別の倒産件数では建設業が横ばいの46件で最も多かった。このほか小売業が39件、サービス業が29件で続いたが、いずれの業種でも前の年度を下回った。県別では福井と石川がそれぞれ57件で2~4割減少した一方、富山は56件と2件増えた。
同支店の担当者は15年度の倒産件数について「北陸新幹線の開業効果もあり、底だった」とみる。16年度については開業効果が一巡するほか、円高基調や新興国経済の減速などもあって「増加する可能性が大きい」と指摘した。