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川崎の団地あわや大爆発 ガス充満、容疑者宅に発火装置

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2016-4-15 6:31:06  点击:  切换到繁體中文

 

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発火装置がしかけられていた長尾伸二容疑者の自宅に現場検証に入る警視庁の捜査員ら=川崎市麻生区虹ケ丘2丁目


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川崎市の8階建て共同住宅の自宅に放火しようとしたとして警視庁に逮捕された男が、部屋の3カ所に発火装置を仕掛けていたことが捜査関係者への取材でわかった。開いた元栓から放出されたガスが室内に充満しており、一歩間違えば大事故につながりかねない状態だったという。


現住建造物等放火未遂容疑で10日に逮捕されたのは、川崎市麻生区の長尾伸二容疑者(58)。UR都市機構「虹ケ丘団地」の8階建て住宅3階の自宅を放火しようとした疑いが持たれている。


捜査関係者によると、室内には3カ所に発火装置が仕掛けてあった。発火装置はドアや窓とひもでつながり、開けるとひもが引かれてマッチがすれ、火が付く仕組み。発火部に向けてガスホースが延びており、ガスの元栓は開きっぱなしだったという。


さらに発火装置から延びたひもが、ガソリンを入れたバケツともつながっていた。ドアの開放と発火に連動し、バケツが倒れるようにもなっていたという。警視庁の捜査幹部は「仕掛けは手作りだが、確実なものだった」と話す。


異変は2日前ごろから確認されていた。別の階に住む70代の女性は、8日にガスの臭いを感じて管理人に通報したという。別の女性(75)も8日昼過ぎに廊下を歩いているときに異臭に気付いた。管理人に「空き室を調べて」と頼んだが、翌9日には臭いがより強くなっていたという。女性は「死んでいたかもしれないと思うと、神経が高ぶって眠れない」と話す。


自宅の仕掛けについて、長尾容疑者自らが説明したのは10日午前のことだった。


前日の9日午前4時すぎ、東京都葛飾区で住宅火災が発生。住宅には長尾容疑者の兄(61)が住んでいた。兄は体が不自由なため車いす生活で、火災で亡くなった。捜査1課などによると、出火直前まで現場にいた長尾容疑者の行方を捜し、9日昼ごろに羽田空港の駐車場に止めた車内にいるところを見つけたという。


捜査関係者によると、長尾容疑者は当日の任意の聴取では黙秘。しかし翌10日には火災への関与を認め、「これ以上被害を大きくしたくない」などと、自宅の仕掛けについても説明したという。窓から室内の仕掛けを確認した警視庁は、神奈川県警や地元の消防など連携し、周辺の210世帯を避難させたうえで室内のガスを換気。発火装置も解除した。


羽田空港にいた長尾容疑者は、ベトナム行きの航空便を事前に予約していたという。捜査幹部は「出国前に見つけていなければ、何も知らない捜査員が捜索のためにドアを開けていたかもしれない。住民も巻き込む大事故になっていても不思議じゃない」と話す。


自宅の仕掛けの詳しい目的は、まだ分かっていない。長尾容疑者を知る80代の女性は「3年前に亡くした私の夫のために、先月の彼岸にお供え物を持ってきてくれるような人だった。ニュースで聞いて、とても驚いている」と話した。




 

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