「匠大塚」が22日に東京・日本橋に開業する「デザインオフィス」は、世界の職人たちが手作りした高級家具が並ぶ=東京都中央区
大塚家具の創業者で前会長の大塚勝久氏(72)が立ち上げた家具販売会社「匠(たくみ)大塚」の1号店が22日、都内に開店する。大塚家具の経営権争いで長女の久美子社長(48)に敗れたが、世界各地の高級家具を扱うなどして「古巣」に挑む。
20日、匠大塚は初の店舗「デザインオフィス」(東京・日本橋)を報道陣らに公開した。ショールームに置かれているイスや革張りのソファは、世界の家具職人らが手作りした高級品ばかり。価格は多くが100万円を超える。ホテルなどの内装を担う業者らに売り込むという。
勝久氏は同日、この夏にも主に一般客向けの大規模店を開く考えを公表した。場所は大塚家具の創業の地の埼玉県春日部市で、大塚家具のショールームの近く。高級品だけでなく10万円台のソファなどもそろえる予定で、勝久氏は「いろんな世代が満足できる店にしたい」と語った。
一方、久美子氏が経営する大塚家具は、高級路線から離れ、会員制を廃止するなど買いやすい価格の商品を扱う店づくりを強化している。ただ、3月の売上高は前年より11・8%減と苦戦している。久美子氏は19日の販売戦略発表会で「新しいやり方に慣れれば結果はついてくる」と説明した。匠大塚の開業については「多くの業者が切磋琢磨(せっさたくま)して、家具業界が盛り上がるのはいいことだ」と話した。(奥田貫)