会見で記者の質問に答える民進党の大塚耕平代表=28日午後3時1分、東京・永田町の党本部、岩下毅撮影
民進党が党運営費や出張費の節約に励んでいる。政権を担った民主党時代から豊富な資金があるとされてきたが、党分裂で国会議員が激減。収入の約9割を頼る政党交付金は来年から半分以下に落ち込む。党執行部が「野党再結集」を急ぐのも、資金繰りの苦しさが背景にある。
今年初めは衆参両院で146人いた民進は、年間の交付金として87億円余を得る算段だった。ところが秋の衆院選で分裂し、計60人に縮小。来年の交付金は「35億円前後」(党関係者)と見積もったが、離党者が相次いでさらに目減りするのは確実だ。
一方で、経費の多くを占める地方組織の存続を決め、党職員も72人が残留。東京・永田町の党本部ビルの賃料もあり、党幹部は「35億円のほとんどは経費で消える」と嘆く。残る資金は「80億円程度」(大塚耕平代表)。1年半後に迫る参院選の候補者擁立には1人2億円かかるとされ、「何もしなければ早晩底をつく」(党関係者)ため、増子輝彦幹事長を中心に節約に乗り出した。
来年2月の党大会は、従来の大規模ホテルから中規模ホテルに変更し、出席者の出張費を含めた費用は約5千万円から2千万円ほどに削減。党本部ビルは部署を集約してワンフロアを返す方向で調整し、党幹部の出張も国会議員なら無料で乗れる新幹線に切り替える。
党幹部は「カネもない政党から新顔が出たいと思うか。大きな塊に生まれ変わらなければ展望は開けない」。立憲民主党や希望の党との将来的な合流を目指すのも、交付金を確保して選挙態勢を整える狙いからだ。
一方、厳しい台所事情は希望も同じだ。昼の役員会で出す380円の牛丼弁当に「60円のみそ汁をつけるか本当に悩んだ」(党幹部)ほど。党務に関わる出張も旅費、交通費、食事代は議員の自腹とする通達を出した。(岡本智)