福島第一原発の1号機(中央)と排気筒(右)=3月12日朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影
東京電力は25日、福島第一原発の1、2号機の間にある排気筒と、5年前の事故直後に汚染水対策で港湾内に持ち込まれたメガフロート(大型浮体式構造物)を解体する方針を原子力規制委員会に示した。新たな地震や津波で損傷が進んだり、流されたりする恐れがあり、規制委が対策を求めていた。
排気筒は高さ120メートル。高さ66メートルの場所には破断箇所が見つかり、サビも目立つ。事故時には原子炉格納容器の圧力を逃がすベント(排気)に使われたため、内部は放射性物質で汚染されている。直下は毎時2シーベルトと極めて放射線量が高いため人は近づけず、大型クレーンで半分ほどの高さに解体する。
メガフロートは、汚染水を一時的にためる場所を確保するため静岡県から運ばれた。長さ136メートル、幅46メートルで、現在は重しとして真水8千トンが入っている。
いずれも工法や廃棄物などの具体策の検討はこれからで、解体時期は来年度以降の見込み。