JR九州が2017年3月期に純利益を確保できる見通しであることが25日、関係者への取材でわかった。九州新幹線は熊本地震で脱線して営業を休止したが、同社は大型連休前の28日にも全線再開する方針。業績への影響を最小限にとどめ、赤字を回避できる見通しとなった。運休が長引けば株式上場の延期も指摘されたが、計画通りに今秋の上場をめざす。
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九州新幹線は、博多―熊本間が23日に運転を再開するなど復旧が進むが、約150カ所の損傷の修復には時間がかかる見込み。そのため、現在は一部区間を徐行運転し、運転本数も減らして営業している。
関係者によると、今回の新幹線の運休・減便により、数十億円の減収が見込まれる。それでも16年9月中間期も黒字を確保できる見通しという。
15年3月期の純利益は150億円。在来線の赤字を不動産事業や新幹線で埋める構図だ。16年3月期の新幹線収入は、前期の493億円を上回り、500億円に達する見込み。(角田要)