「中学夜間学級」で勉強する長谷川絢子さん=8日夜、名古屋市中区
名古屋市の街中に、東海3県で一つだけの夜間中学校がある。心躍らせる新入生12人の中に、名東区の長谷川絢子さん(73)の姿があった。この春から夜間中学校で中学卒業者の再入学が認められ、長谷川さんも学び直せることになった。
今月6日、中区にある1973年創設の「中学夜間学級」の入学式。様々な事情で昼間に学校に通えない外国人の若者らに混じり、長谷川さんも出席した。国歌斉唱では涙があふれ、ほとんど歌えなかった。
幼い頃から学ぶ機会に恵まれなかった人生を思い、幸せをかみしめた。「諦めなければ、何歳になってもチャンスがあるのね」
旧満州で生まれ、2歳で熊本市に移った。物心ついた頃から父の暴力を受け、「勝手に生まれてきやがって」と包丁や皿を投げられた。思春期には「実の子でないのでは」と疑った。
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