安倍晋三首相は29日、熊本地震で被災した熊本、大分両県を視察した。被災地に入るのは23日に続き2度目で、大分県への訪問は初めて。視察後、首相は記者団に、「今年度補正予算の早期成立によって、生業の復興、住まいの再建、復旧・復興を加速させていく」と意欲を示した。
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熊本地震 災害時の生活情報
午前中は、通行止めになっている大分自動車道の現場をヘリで上空から視察。その後、観光客の減少に悩む大分県由布市を訪れ、同県の広瀬勝貞知事からは、観光客誘致に向けた情報発信などについて要望を受けた。首相は視察後、「(被害を受けたのは)九州の代表的な観光地で、九州の顔。観光立国を進めている日本にとっても大きな打撃」と述べ、支援に前向きな姿勢を示した。
午後には、熊本市中心部の商店街を視察。店主らとの意見交換では、来年4月の消費増税の延期を求める声も上がり、首相はうなずきつつも、明確には答えなかった。被害の大きかった熊本県西原村では避難所も視察した。
また、この日は公明党の山口那津男代表も熊本県を視察した。蒲島郁夫・熊本県知事らとも会談し、補正予算で仮設住宅の建設やインフラ復旧に万全に対応していく考えを伝えた。(河合達郎、中崎太郎)