ルセフ大統領
ブラジル上院は11日、政府会計の粉飾に関わったとされるルセフ大統領に対する弾劾(だんがい)裁判開始の是非をめぐり、審議を始めた。採決では過半数が賛成すると見られ、ルセフ氏は最大180日間の職務停止に追い込まれる見通しだ。8月開幕のリオデジャネイロ五輪を前に、政治の混乱は深まるばかりだ。
上院では、議員一人ひとりが意見表明を続けているが、地元メディアによると過半数が事前に弾劾裁判への賛成を表明しており、法律が定める可決条件を満たすと見られている。可決されれば、結果が議会側から正式に伝達された時点で職務停止となり、テメル副大統領が大統領の職務を代行することになる。
その後、連邦最高裁長官を裁判長とする弾劾法廷が上院に設置され、全議席の3分の2(54議席)以上が賛成すればルセフ氏は罷免(ひめん)され、そうでない場合は大統領に復職できる。