取り調べの録音・録画(可視化)を一部の事件で義務づけることなどを柱とした刑事司法改革の関連法案について、参院法務委員会は19日、賛成多数で可決した。昨年の国会で衆院を通過したが、継続審議となっていた。近く参院本会議を通過し、衆院の再可決を経て今国会で成立する見込みだ。
取り調べ全過程の可視化、前年度の2.6倍 1543件
裁判員裁判の対象事件や検察の独自捜査事件で逮捕後の取り調べの全過程で録音・録画が義務づけられる。ただ、対象は逮捕・勾留事件の約3%にとどまる。
司法取引も導入される。贈収賄などの対象事件で容疑者や被告が他人の犯罪を明らかにすると、検察が起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりする見返りを得られる制度で、日本では初めての仕組みだ。
現在は薬物や銃器など4類型に限っている通信傍受の対象犯罪の拡大も盛り込まれた。振り込め詐欺など組織的な詐欺や窃盗、傷害など9類型が新たに加わる。また、傍受する際の通信事業者ら第三者の立ち会いを不要とする。