68歳でパラリンピックに挑む別所キミエさん=神戸市の兵庫県立障害者スポーツ交流館
9月7日に開幕するリオデジャネイロ・パラリンピックまで30日であと100日。卓球日本代表に内定している兵庫県明石市の別所キミエさん(68)は、出場すれば日本選手の最高齢記録を更新する。現役を続ける姿は多くの同世代の共感を得ている。
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「アカン! 悔しい」
県立障害者スポーツ交流館に大きな声が響く。別所さんはほぼ毎日、午前9時から午後6時までを練習に費やす。苦手なサイドのコースに球を打ち込んでもらって返球を繰り返したり、球出しマシンを相手に2時間打ち続けたりする。
骨盤の一部にがんが見つかり、車いす生活になったのは1991年。リハビリで始めたのが卓球だった。その4年前には夫を亡くしていた。熱中している間は再発の恐怖や夫を失った悲しみから解放された。練習に打ち込んだ。2004年、56歳でパラリンピックに初出場した。
いまや全国大会で10連覇し、リオは4度目の出場だ。20年の東京パラリンピックの開催が決まり、障害者スポーツへのまなざしが変わったと感じる。最近は同世代から声をかけられることが増えた。講演依頼は急増。昨年は12回、壇上に登った。