首都高羽田線の橋は、ひび割れなどを補修した白い跡が目立った=30日午後、東京都品川区、北村玲奈撮影
首都高速道路など老朽化が進む全国の高速道路で、橋の架け替えなどの大規模改修が始まった。従来の応急的な補修では不十分で、国土交通省によると工事費は15年間で4兆円になる。
東京都品川区の首都高1号羽田線で30日、改修作業が公開された。橋脚が海につかってコンクリートがはがれ、さびた鉄筋がむきだしになっている。6月に1・9キロで橋の架け替え工事を始め、片側2車線の迂回(うかい)路を旧道に並行して建設する。10年後に完成予定だ。
1962年開通の首都高は1日95万台が通行する。道路のひび割れは部分的な塗装でコンクリートのはがれを防ぐなどしてきたが、雨水で道路橋の床部分の鉄筋にさびが出てきた。
今年度から総延長310キロのうち63キロで、道路橋の床版(しょうばん)の張り替えや道路の側面の壁の造り直しを進める。首都高の舩本浩二・損傷補修担当課長は「計画通り進めば約50年先まで車が通行できる状態を維持できる」と話す。