乳児を自宅のくみ取り式トイレに産み落として殺害したとして、群馬県警は2日、同県中之条町山田、パート従業員戸田知子容疑者(37)を殺人の疑いで逮捕し、発表した。戸田容疑者は「経済的にきつかった。(赤ちゃんの)声が聞こえたが、このままなかったことにしたかった」と供述し、容疑についておおむね認めているという。
発表などによると、戸田容疑者は2月10日午後4時半ごろ、当時住んでいた同県東吾妻町川戸の自宅のトイレで、女児を産み落とし、殺害した疑いがある。司法解剖の結果、死因は低体温症だった。女児は身長49センチ、体重2千グラムで、県警は妊娠9カ月の早産だったとみている。
戸田容疑者が同月10日夜に受診した病院から、「不正出血で来院した女性の体内に胎盤とへその緒が残っているが、胎児がいない」と警察に通報があった。警察官が自宅に駆けつけ、消防と女児を助けようとしたが、死亡が確認された。戸田容疑者は当時、夫(42)と長男(11)と暮らしていたが、周囲は妊娠に気付いていなかったという。
戸田容疑者はこれまでの調べに「刺すような痛みが治まらずに便所に入った。生きてうまれてきたとは分かった」と話しているという。県警はこうした供述などから殺意があったとみて調べている。