湖南省耒陽市の留守児童(両親の出稼ぎで、農村部に残された子ども)である鍾芳蓉さんは7月23日、中国大学統一入学試験(通称「高考」)で676点(750点満点)を取り、湖南省の文科系で4位という素晴らしい成績を手にした。成績が発表された日の夜、校長と教師約50人は、花火や爆竹を手に車9台に分乗して、約30キロ離れた鍾さん一家が住む村を訪問。村の人々と一緒に花火や爆竹で、鍾さんを祝福した。
留守児童である女子高生が北京大学考古学専攻を選んだことに対しては疑問の声
成績が発表されると、多くの大学から相次いで、入学の誘いの連絡を受けた鍾さんは、「敦煌研究院名誉院長・樊錦詩氏の影響もあるほか、将来のことを考えて、北京大学の考古学学科を選んだ。大学院にも進学して、考古学の研究をしたい」とその夢を語った。
鍾さんが北京大学の考古学学科を専攻するというニュースはネットでも大きな話題となり、ネットユーザーからは、「考古学学科は人気がないし、仕事を探すのも難しいかもしれないのに」や「せっかく北京大学に入学できるのになぜ人気学科を選ばないの?」、「お金をいっぱい稼いだり、高い地位に着いたりできない業界なのに」などのコメントも寄せられた。
その点に関して、鍾さんは、「北京大学の考古学学科を選んだけど、将来、就職したら、人並みの暮らしはできると思う。私は考古学が大好き。好きだというだけで十分だわ!」と話す。
そんな彼女に考古学のOBから次々と応援メッセージが!
「考古学は将来有望ではない」とするネットユーザーらのコメントを目にした考古学のOBたちが、それを否定する声を続々と上げている。
四川省文物考古研究院の大V(大物インフルエンサー)である彭山江口沈銀遺跡の水下考古領隊@考古君は微博(ウェイボー)で以下のようなメッセージを鍾さんに送った。
「喜ばしいことに、人気のない考古界が大きな話題となっている!鍾さんがんばれ。あなたは堅い信念があるのだから、将来、戸惑いを感じることはないだろう。中国の考古学者みんながあなたを応援している。学業の成功を祈っている。将来、あなたは困難を克服し勇ましく前進する女性考古学者になってくれるだろう」。
さらに、多くの省や博物館などが将来の後輩となる鍾さんに、気前よく「合格プレゼント」を贈ることを決めている。
大まかな統計では、現時点で少なくとも10省の考古学界が共同で、鍾さんに祝福の声を上げ、プレゼントを贈ることを決めている。
こうした動きを受けて、コメント欄には、鍾さんを羨むコメントで埋め尽くされるようになっている。中国全土の考古学界は、まるで「待望の女の子が生まれた」時のように、鍾さんを盛大に迎えているといった具合だ。
そして、「もう仕事が見つからないなんて、心配しなくてよくなったんじゃない?」とのコメントを寄せるネットユーザーも。
ちなみに、北京大学考古学学科は同専攻で中国全土のトップなのだ!(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月4日