中国国務院の李克強総理は13日午後、中国・ASEANビジネス投資サミットに動画メッセージを寄せた。人民日報が報じた。
ビデオメッセージで、李総理は、「新型コロナウイルスの突然の襲来により、各国の国民の命の安全と健康が深刻に脅かされている。世界経済は現在、第二次世界大戦後で最も深刻に衰退している。しかし、ASEANは、中国の近隣諸国、重要な協力パートナーで、双方の貿易・投資は、世界経済が低迷する中、その流れに逆らうかのように成長し、貿易額が5%増となっている。中国のASEANに対する投資は前年同期比で76.6%増となっている。ASEANは、中国にとって最大の貿易パートナーで、双方の経済的架け橋、産業の繋がりは一層緊密になっている」とした。
また、中国経済の動向を要約して紹介し、「中国は新型コロナウイルス対策と経済発展を統一して計画し、推進している。そして、有効で合理的なマクロ経済政策を適時、果敢に打ち出して、新型コロナウイルスの打撃に対応している。必死の取り組みの結果、中国経済は1‐9月期、プラス成長に戻り、基盤が安定した。14億の人口を抱える大国にとっては、決して容易なことではない」としたほか、「企業が苦境を乗り越えることができるようサポートし、市場の主体の活力を刺激する政策を実施して、特に中小・零細企業、個人事業者(主)に重点を置いた。その目的は、就職を安定させ、経済の基盤を安定させることだ。就職の安定は市場の主体にかかっている。今後も減税・費用削減の推進を堅持し、『放管服改革』(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)を深化させ、ビジネス環境を改善し、億単位の市場の主体の活力を刺激する。中国は現在、1日当たりの市場の新規主体の数が、昨年同期と同じ基準に回復している。それは、億単位の市場の主体が守られ、就職、民生が効果的に保障を得ているからにほかならない。中国の国民は強靭性があり、中国の市場の主体は未来に明るい希望を持っている。現在、中国経済は今年、プラス成長を実現すると自信を持って言える。世界の主要エコノミーにおいて、中国は先頭を切って回復的成長を実現した」と成果を強調した。
その他、「経済の衰退や貿易の縮小、保護主義の継続的な台頭など、依然としてたくさんの困難と課題に直面していることを、我々ははっきりと認識している。中国は今後も運命共同体の理念を堅持し、ASEAN諸国との協力を推進し続け、多国間主義や自由貿易、さらには世界の平和、発展を守る。来年は中国とASEANが対話関係を樹立して30周年を迎える。『三十にして立つ』という言葉があるように、中国とASEANの関係は『而立之年(じりつのとし)』を迎えることになる。今後、その関係がさらに成熟し、共に互恵・ウインウインの方向に向かって発展し、ビジネスと投資の協力の新たな局面を切り開き続け、中国とASEAN諸国の国民にさらに多くの益をもたらすと信じている。それらは、地域と世界の平和と安定、繁栄のためにも益になるだろう」と述べた。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月14日