12日の練習後、ファンのサインの求めに応じるカイオ
サッカーJ1鹿島のMFカイオ(22)=ブラジル=に対し、浦和サポーターを名乗る人物からツイッターで黒人を差別する内容の書き込みがあった問題で、カイオが12日、練習後に取材に応じ、「今回のようなことはあってはならないという認識を、色んな方々が強く持って欲しい」と心境を語った。
浦和サポーター、鹿島選手に黒人差別ツイートか
カイオは埼玉スタジアムで11日にあった浦和―鹿島に出場し、決勝点の起点になるなど、2―0の勝利に貢献。試合後、投稿に気付いた交際中の女性からの連絡で書き込みを知ったという。来日中の自身の父親が泣いていたとも聞き、「非常にショックだった。自分にはこういうことは起きないだろうという気持ちがあったし、日本で起きたことも悲しかった」。
クラブの通訳に協力してもらい、日本語で「僕は黒人であり、自分の誇りでもある」と自身のツイッターなどに投稿した理由について、「インターネットが発達した社会では、軽率な発言や発信で、人を不快な思いや悲しい思いにしてしまうという現状を伝えたかった」。差別がなくなる一助になればという願いが強かったといい、「書き込んだ人が、罰則や社会的な制裁を受ける必要はまったくない。本人自身がどう反省すべきかということは分かっていると思う」と語った。
差別の書き込みは削除され、謝罪文が投稿された。(勝見壮史)