国民投票の当日を迎えたロンドンの金融街シティー。多くの人が雨の中を出勤していた=23日午前、榊原謙撮影
英国の欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票が23日始まり、世界の金融市場で緊張が高まっている。英金融街シティーでは、離脱決定時の急激なポンド安を懸念する声が上がり、日本では外国為替証拠金取引(FX)の一部で取引を制限する動きが出ている。
特集:EU離脱問う国民投票
EU離脱問う英国民投票始まる 24日午後に結果発表へ
「同僚とも話し合っているが、意見は真っ二つに割れている。EUから離脱すれば、『何かいいことがある』とロマンチックなことを考えている人たちが、シティーにも大勢いるんだ」
国民投票当日の23日朝、ロンドンにある世界有数の金融街シティーで、職場に向かっていた残留派の会社員、キース・マクドナルドさん(37)は嘆いた。
EUには、金融機関が加盟国のどこかで許可を取れば、他の国でも営業できるルールがある。離脱すれば各国の許可が必要になるため、手間を嫌ってシティーから拠点を移す金融機関が続出し、国際金融センターとしての地位が低下する、との指摘もある。