英国のEU離脱問題を受け、関係閣僚会議で発言する安倍晋三首相(中央)。右は麻生太郎財務相、左は石原伸晃経済再生相=24日午後6時16分、首相官邸、飯塚晋一撮影
安倍晋三首相は24日夕、首相官邸で関係閣僚会議を開き、「金融市場の安定化に万全を期す」などとして、麻生太郎財務相に主要7カ国(G7)で連携して対応するよう指示した。これを受け、麻生氏は同日夜、電話によるG7財務相・中央銀行総裁会合を開催。「為替の過度の変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に悪影響を与え得ること」を確認し、「市場の動向と金融の安定を緊密に協議し、適切に協力する」とする声明を出した。
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首相は会議で「必要なことは国際協調だ。伊勢志摩サミットでは、新たな危機に陥ることを回避するため、適時にすべての政策対応を行うことを首脳間で合意している」と強調。そのうえで、麻生氏に「日本銀行とも協力しつつ、他のG7諸国と緊密に協議し、経済金融面で必要な対応をとって頂きたい」と求めた。
また、石原伸晃経済再生相には国内外のマクロ経済、林幹雄経済産業相には中小企業を含む実体経済への影響をそれぞれ分析して対応するよう指示。石原氏は記者団に対し、「遺漏なきよう政策対応に万全を期していきたい」と述べ、近く経済財政諮問会議を開き、対応を協議する考えを示した。経済産業省も英国に拠点を持つ企業を集めた「意見交換会」を27日に行い、対応策を練る。
参院選への影響も予想される。首相は早速、24日の街頭演説で、サミットで世界経済のリスクへの対応を協議した実績をアピールし、「いま、日本の政治の安定こそが世界から求められている」と強調。これに対し、民進党の岡田克也代表は同日の記者会見で「アベノミクスの牽引車だった円安・株高が逆回転し出した。アベノミクスの宴は終わった」と批判した。