欧州連合(EU)から離脱を決めた英国の国民投票後初のEU首脳会議が28日、ブリュッセルで始まった。首脳会議を前に、ドイツのメルケル首相は自国の連邦議会で演説し、英国の離脱交渉について「いいとこ取りで行われてはならない」と、厳しい姿勢で臨むべきだとの考えを示した。
イギリス、EU離脱へ
首脳会議では、28日夕までにまず難民問題などを討議する。キャメロン英首相が国民投票の結果について他国の首脳に説明するのは夕食会の場だ。キャメロン氏は今回の会議では離脱通知はしない方針。残る27カ国の首脳は翌29日にEU側の対応について協議する。
トゥスクEU首脳会議常任議長は28日、9月に27カ国で臨時の首脳会議を開くことを提案すると記者団に明らかにした。
英国を除く各国の間では、離脱通知の時期を明確にしない英国に、いらだちが強まっている。メルケル氏は議会での演説で「EUファミリーから去ることを決めた者は、義務がなくなって、利益だけそのまま残ると期待することはできない」と述べた。