米ルイジアナ州バトンルージュで黒人男性が警察官に射殺された事件を受けて6日、現場付近でこぶしを突き上げて抗議する人たち=AP
米ルイジアナ州バトンルージュで5日、黒人男性が2人の白人警察官に射殺される事件が起きた。警察官に地面に押さえつけられた状態で撃たれたことを示す映像があり、同州のエドワーズ知事は6日、米司法省が当時の状況について捜査すると発表した。
米国では、黒人男性が白人警察官に撃たれるなどして死亡する事件が相次ぎ、広範囲な抗議活動にもつながっている。今回も5日から地元で抗議デモが起きており、知事がすぐに司法省の協力を求めたのも、影響が広がることを避ける狙いがあったとみられる。
AP通信によると、事件は5日午前0時35分すぎに起きた。「コンビニの外でCDを売っている男性が銃を見せた」との通報で駆けつけた2人の警察官が、アルトン・スターリングさん(37)を射殺したという。
携帯電話で撮影され、インターネットにも投稿された動画では警察官がスターリングさんを倒し、地面に押さえつける様子が分かる。誰かが「銃を持っている」と叫んだ後に、警察官の1人が銃を取り出し、直後に発砲音がした。
スターリングさんは複数回撃たれて死亡した。地元の警察によると、スターリングさんは銃を持っていたが、「分からないことがまだ多くある」という。エドワーズ知事は「重大な懸念がある。動画(の内容)は不穏だ」と語った。(ニューヨーク=中井大助)