インタビューに答える共産党の志位和夫委員長=10日午後10時49分、東京都渋谷区、葛谷晋吾撮影
共産は選挙区と比例区を合わせて、少なくとも6議席を確保した。ただ、共産が今回、比例区で掲げた獲得目標は9議席。改選3議席は上回ったものの、前回2013年の8議席にも及ばず、期待したほどの党勢拡大は果たせなかった。
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志位和夫委員長は10日、党本部で「野党4党で、安倍政権での憲法改定は認められないと、引き続き主張していく。安倍政権の暴走に立ち向かう若い方々と一緒に戦ったというのは大きな収穫だった」と語った。
選挙中の潮目になったのは、4月に党政策委員長に抜擢(ばってき)された藤野保史衆院議員の「失言」だ。先月26日のテレビ番組で、藤野氏は防衛費について「人を殺すための予算」と言及。発言を撤回したが、与党側からは「自衛隊の解消」を明記した党綱領と合わせて批判を浴び、2日後に辞任に追い込まれた。憲法や安全保障関連法制を争点に掲げた共産にとっては痛い失点となった。
共産は、安保関連法が成立した昨年秋、他党に先駆けて同法廃止に向けた野党共闘を呼びかけた。今年2月には、多くの1人区で独自候補を取り下げる方針を表明。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」(党関係者)との方針で、政権批判票の取り込みを図った。
志位氏は次期衆院選でも野党間の選挙協力を進める構えで、党内では衆院小選挙区でも独自候補の取り下げを検討している。しかし、政権選択が問われる衆院選で、外交や安保など基本政策で民進と違う点をどうすり合わせるかが、高いハードルとなりそうだ。