浅丘ルリ子=篠田英美撮影
昼の帯ドラマ「やすらぎの郷(さと)」(テレビ朝日系)に、自分と同じような「大女優」白川冴子の役で出演している浅丘ルリ子さん。シルバー向けを銘打ったドラマの共演者は同年代がほとんどで、いつにも増して生き生きとしているように見える。放送が始まっていた春、手応えや体調管理法、さらには芸達者がそろう撮影現場のことを聞いた。
倉本聰×浅丘ルリ子 若者にこびない「昼ドラ」
老人ホーム、だけどこだわりのフル装備 浅丘ルリ子さん
――ドラマは4月の放送開始後、話題を集めています。手応えは?
すごいらしいですねえ! みなさんからお電話も頂いています。三谷幸喜さんはお電話で「いやあ、なかなか白川冴子さん、いいですねえ」と。いま3本書いていらっしゃってお忙しいのに、「NHK(「おんな城主 直虎」)も拝見しております」とおっしゃっていて……。ねえ、リラックスして。硬くなっていない?
――大女優を前に緊張しています……。今回は、その「大女優」を演じられています。
これまで1本くらいあったかな。でも女優だからこそ、女優を演じるのは難しいことですね。白川冴子であっても、浅丘ルリ子として見られるの、どっちみち。生の私が出ちゃいけないし、全部私だと思われるのも、とっても嫌。だから、芝居で少しずつ変えているんです。姿かたちは変えられないけど、セリフの言い方なんかで工夫しています。
ファッションは、みなさんに目で楽しんで頂くということを考えて、毎回出る度に作って頂いた衣装を着ていますから。お年を召した方に、目で楽しんで頂きたいので、「このドレスすてきね」「この衣装、着てみたいわ」と思っていただけるとうれしい。でも、衣装を作る方は大変ですよ(笑)。
――何着あります?
70着近くはあるかなあ。舞台は老人ホームだから普段着でいいわけじゃない? でも私はアクセサリーからメイクまでフル装備。本当は爪の色も変えたいんですけど……。その時間がないんです。撮り方の順番もメチャクチャになっちゃうし、いちいち爪を取ってまた付けてなんてやっていられないですしね。
――現場には、かつて一緒に仕事された方もたくさんいます。
楽しいですね。気心が知れている方も多く、まさにやすらげます(笑)。藤竜也さんは私がいた日活にいらっしゃったので、一緒だったでしょ? 有馬稲子さんもご一緒したことがあるし、八千草薫さんだけでしょうか、初めてお会いしたのは。ほとんどの方と、これまでご一緒しました。現場はだから、すごく楽しいです。