経済産業省が今月から、糖尿病予備軍の人らの運動量をウェアラブル(身につける)端末で分析し、重症化を防ぐ実験を始める。約40兆円の医療費のうち4分の1を占めるとされる生活習慣病に早めに手を打つことで、医療費負担の削減をめざす。
11日の省内の有識者会合で計画を示した。トヨタ自動車や三菱地所、第一生命保険といった大手企業や自治体、医療機関が参加し、健康診断で軽症の糖尿病または予備軍とされた従業員を対象とする。
本人同意の上、腕に巻く機器などで歩数や消費カロリーを半年間集めるほか、職場でも体重や血圧を毎日測る。集めた情報は産業医などによる健康指導に使うほか、匿名化したデータベースに蓄えて指導の効率化にもつなげる。
来年度以降、対象企業を増やし、糖尿病以外にも拡大する予定で、関連費用を来年度予算の概算要求に盛り込む。経産省は、早めの生活習慣病対策で医療費を1兆円削れると試算。会合には厚生労働省もオブザーバー参加しており、協力していく。(高木真也)