前橋市で2014年、高齢者2人を殺害し、1人に重傷を負わせたとして、強盗殺人などの罪に問われた土屋和也被告(27)の裁判員裁判で、前橋地裁は20日午前、検察側の求刑通り死刑とする判決を言い渡した。鈴木秀行裁判長は「高齢者を無差別的に狙い、悪質極まりない。犯行は執拗(しつよう)で残虐」と述べた。被告側は即日控訴した。
判決によると、土屋被告は14年11月、前橋市内の小島由枝さん(当時93)方に侵入し、小島さんの顔や首をバールで殴ったり、包丁で刺したりして殺害し、現金5千円などを奪った。約1カ月後には、小島さん方から約700メートル離れた川浦種吉さん(同81)方でリンゴ2個を盗み、川浦さんを包丁で刺して殺害し、80代の妻に重傷を負わせた。
判決は動機について「仕事を辞め、借金返済に窮して大金を得ようとした」と指摘。殺傷能力の高い凶器を準備していた点などから、「用意周到とはいえないが計画性があった」とした。
「衝動を抑えにくいパーソナリティー障害が犯行に強い影響を与えた」と弁護側は主張したが、判決は「犯行の決意は障害の影響とみるべきではない」と退けた。