一歩ずつ、育ってきた。そんな言葉が、黒田にはピタリと当てはまる。決して最初から完成されたピッチャーではなかったと思う。
広島・黒田、日米通算200勝 野茂以来2人目
鉄人の目
1997年入団当時は、投球フォームは粗削りだった。その年の新人王は同期入団の沢崎(現2軍投手コーチ)。新人から20勝した上原(レッドソックス)のような、制球力もなかった。ただ、手足が長く、投手としての身体能力、資質は十分あると感じた。藤浪(神)や大谷(日)クラスではないにしても、体が大きかった印象が、強く残っている。
球団も「エースにするんだ」という考えで育ててきた。先発投手が6人いたら、お前が中心になるんだよという雰囲気を、自然と作っていったと思う。その彼を見て育ったのが、大竹寛(巨)であり、前田(ドジャース)だろう。チームの期待と本人の努力が、うまくかみ合った。
大リーグでも投球術を磨いた。…