佐々木信夫・中央大教授=八王子市
■都知事の資質とは 中央大教授・佐々木信夫さん(68)が語る
特集:2016都知事選
都知事には、①政治家②経営者③外交官という三つの役割があります。
政治家としては、国の意向を受けて行政官の役割を忠実に果たすような知事とは異なり、何が問題かを自ら見極め、かじを切る能力が問われます。
経営者という点では、約17万人の職員がいる巨大な官僚組織を運営するだけでなく、財政の健全化や、上下水道、都営地下鉄・バスなどの「経営改革」を実行できる力が必要です。
外交官としては、世界の主要都市と友好関係を維持する「首都外交」をきちんとできなくてはいけない。
石原慎太郎さんは政治家や経営者としては物事を進める力がありました。外交官としては中国との関係などに思い入れが強すぎて、ちょっとお粗末でしたが。
石原さんの後を受けた猪瀬直樹さんにしても、舛添要一さんにしても、前任者が辞職した後の「補選」で選ばれたようなもの。都民からすれば、資質を吟味する選択肢が十分ではなかったでしょう。今回も補選のようではありますが、候補者の顔ぶれを見ると、前の2回の知事選より選択肢があるように思えます。
都民が知事に求めるものは何か…