同じ労働で正社員にだけ支給される手当があるのは不当だとして、東証1部上場の物流会社「ハマキョウレックス」(静岡県浜松市)の契約社員の男性(54)が、給食手当などの支払いを求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁であった。池田光宏裁判長は一部手当を契約社員に支給しないのは違法として同社に77万円の支払いを命じた。
支給手当について、高裁で違法判断が出るのは初めて。代理人弁護士は「同様の訴訟に与える影響は大きい」と評価し、男性は「かなり前向きの判決がもらえた」と話した。
2013年4月施行の労働契約法20条は、無期雇用の正社員らと有期雇用で働く契約社員らとの不合理な差別を禁じている。判決は、正社員は広域の転勤や組織の中核を担う可能性があると指摘。各手当について転勤の有無など立場にかかわるかどうかに基づき、判断すべきだと指摘した。
そのうえで、給食と無事故、通勤、作業の四つの手当は正社員の職務内容などとは無関係で、契約社員に支給しないのは違法と判断し、13年4月以降分について会社の責任を認めた。皆勤、家族手当や一時金(賞与)、退職金については原告の訴えを退けた。
一審・大津地裁彦根支部判決は通勤手当についてのみ同法違反を認め、会社に1万円の支払いを命じ、双方が控訴していた。