負傷者の搬送先で最も多い14人が運ばれた相模原市の北里大病院では26日、担当者が断続的に取材に対応した。
特集:相模原の殺傷事件
病院の救命救急・災害医療センターの浅利靖センター長によると、午前3時56分にドクターカーの要請があった。午前5時47分に1人目の負傷者が着き、次々と患者が運ばれてきた。8人は重傷だが意識はあり、そのうち4人は緊急手術した。ベッドが満床になり、14人のうち2人は他の病院に受け入れを依頼した。
重傷者のほぼ全員が、首に切りつけられたような傷があったという。傷はいずれも深く、気管やその奥の骨、神経にまで達していた。「痛い、痛い」と声を上げ、ショックを受けた患者も。看護師が順番に回って対応した。
午前6時15分ごろにドクターカーで「津久井やまゆり園」に着いた服部潤医師によると、駐車場にオレンジ色の大きなテントが設けられ、救出された人が運ばれてきた。服部医師は「こういう事件は初めて」と振り返った。「慣れない現場で一瞬止まってしまう状況はあったが、早く負傷者を病院に連れて行くことを考えた。事件の背景は考えず、目の前の人をどうやって助けようかという思いだった」と語った。