鈴木直道・北海道夕張市長
■都知事の資質とは 北海道夕張市長・鈴木直道さん(35)が語る
特集:2016東京都知事選
この人が言うなら、納得するしかない――。そう市民に思ってもらえる政治家こそが理想だと、私は考えています。それには豊かな想像力で、自分の判断の先にある人の痛みを理解できることが大事。苦しみながらも大局的な決断ができることも必要です。
東京は巨大です。日本の人口の約1割を占める約1360万人が住み、「ヒト、モノ、カネ」が集中している。世界的祭典の東京五輪・パラリンピックを2020年に控え、先々がまぶしく見えると思います。
しかし、そんな東京も20年を境に人口が減り始めることが、都の推計で明らかになっています。60年には高齢化率が現在の2倍弱の39%に達するとも。主な候補者の公約には、待機児童や介護など直近の課題への対策が目立ちます。長期的な大問題にどう計画的に備えるかという視点が問われていると、私は思います。
改革は痛みを伴います。私は市長就任後、人口減少を前提に、都市機能を集約するコンパクトシティー構想を打ち出しました。市内に散在する地区を数カ所に集約するため、再編対象の地区の方からは「お前に投票したのに、なぜ地区の将来を奪うのか」との厳しい言葉も頂きました。
その思いは分かります。しかし…