森重裕二さん。長男の凱風(かいふう)君(3)にもライフジャケットを着せている。今年春に高松市に移住した
毎夏、水の事故が相次ぐ。過去10年で亡くなった子どもは611人。事故防止のためライフジャケット着用の大切さを呼びかける香川県の小学校教諭のフェイスブック(FB)に支持が集まっている。水辺のイベントでライフジャケットを配る活動も続けている。
FBのアカウント名は「子どもたちにライジャケを!」。小学校教諭の森重裕二さん(40)が2011年に開設。啓発のため、ライフジャケットをつけた子どもの写真を募ったところ、賛同した人たちから次々と送られてきた。
これまでに100人以上から寄せられ、自身のFBに「子どもたちを守る当たり前の選択肢になりますように」「大人も着用を」――といった文章とともにほぼ毎日投稿している。賛同を意味する「いいね!」は約1万件に達する。
大学時代に始めた趣味のカヌーで何度も水の流れにのまれ、水の怖さを知った。卒業後、滋賀県甲賀市の小学校に教員として勤務。川へ行く授業で事故を防ごうと、ライフジャケットを知人から約50着借りて、着用の大切さを校内で呼びかけていた。
だがその矢先の07年、市教委主催のキャンプで高知県の四万十川を訪れた他校の児童2人が水死。市によると、ライフジャケットは着用していなかった。
「自分の学校だけではなく、もっと広く普及に力を入れておけばよかった」と後悔。この年、ライフジャケット着用を呼びかけるホームページを作り、11年にはFBを開設した。
子どもを水難事故から守ろうと…