民主党の大統領候補の指名を受諾後、最初の集会で演説するクリントン前国務長官(左)。夫のビル・クリントン元大統領が見守った=7月29日、フィラデルフィア、ランハム裕子撮影
米民主党の大統領候補となったクリントン前国務長官は29日、正式に候補に決まって初めての集会をフィラデルフィアで行い、「この選挙の責任を深くかみしめている」と語った。11月の本選に向け、この日から専用バスなどで全米各地を回る選挙戦を本格化させた。
特集:米大統領選2016
クリントン氏は前夜の党全国大会で指名を受諾。この日の集会では、夫のビル・クリントン元大統領やケーン副大統領候補とともに登場し、やや疲れた表情を見せながらも、「昨夜は非常に興奮して夜遅くまで寝付けなかった。だが、これは克服できる。我々に課せられた、この選挙の責任を深くかみしめている」と語った。
共和党のトランプ氏について「弱体化した米国を悲観的、暗黒的、不和を生じさせるような印象を植えつけようとし、自分だけがそれを修正できると語っている」と選挙手法を批判し、「私は米国にある(偏見や差別などの)障壁を常に打ち破れると信じている」と強調。トランプ氏は「別の国、あるいは別の惑星の話をしているようだ」と皮肉り、本選での勝利へ意気込みを語った。(フィラデルフィア=佐藤武嗣)