自民党は、東京都知事選で初当選した小池百合子氏との関係修復に動く構えを見せ始めた。小池氏は、落選した増田寛也氏を推薦した党方針に逆らって立候補し、党内には処分を求める声もある。しかし、2020年の東京五輪・パラリンピックの準備作業を円滑に進めるために、都知事との関係悪化を避けるべきだとの声が強まっている。
安倍晋三首相は1日の党役員会で、増田氏が敗れた都知事選について「残念な結果」としつつ、「東京五輪・パラリンピック成功のため、今回示された民意をかみしめながら都民と力を合わせて取り組んでいきたい」と述べた。細田博之幹事長代行はその後の記者会見で、「首相の発言は、大事な都知事だから一緒に努力するという趣旨ではないか」と述べ、処分には慎重な姿勢を示した。
自民所属の衆院議員だった小池氏は推薦が得られないと判断、「党に(進退を)ゆだねる」として知事選に立候補した。17年ぶりの保守分裂選挙となり、若狭勝衆院議員や一部の区議らから支援を受けた。党都連は増田氏以外を応援した党所属議員らを処分すると文書で通達した。政府高官も「選挙が終わったらノーサイドで(小池氏らと)仲良くしようなんて話にはならない」と語っていた。
下村博文・党総裁特別補佐は1…