職員から贈られた花束を手に、東京都庁に入る小池百合子氏=2日午前9時32分、東京都新宿区、遠藤啓生撮影
東京都知事選で初当選した小池百合子氏(64)が2日午前、初登庁し、戦後9人目で女性として初めての都知事に就任した。都政改革を訴えて291万票を集めた小池氏は、職員への訓示で「まず都政の透明化、情報公開で都政への信頼を回復したい。なによりも都民ファーストに徹していただきたい」と述べた。
小池氏の処分、及び腰の自民 「支持率下がるかも…」
特集:小池百合子新都知事
午前9時半、都庁正面玄関。東京消防庁の音楽隊の演奏のなか、白のパンツスーツ姿で帽子を手にした小池氏が車から降り立った。約千人の職員らに囲まれ、選挙戦時のイメージカラーの緑色を基調にデザインされた花束を受け取ると笑みを浮かべた。
当選証書を受け取った後、7階の知事執務室へ。革張りの大きな黒いイスに腰掛け、「感無量です」と満面の笑み。報道陣から知事就任の思いを改めて問われ、「291万人の思いを、これからこの場で一つ一つ実行していく責任を感じている」。
都議会各会派にもあいさつ回りをした。議長室では、川井重勇議長(自民)に自ら右手を差し出し、握手を求めた。川井議長は一瞬ちゅうちょして握り返し、「知事と議会は両輪ですから。一輪車にならないように」と釘を刺した。
選挙戦で「敵」と見立てた都議会自民党の役員室には、高木啓幹事長の姿はなく、高橋信博総務会長ら都議2人のみでの対応となった。都議は終始、硬い表情。高橋総務会長が小池氏に「幹事長と政調会長は所用でいない」と伝え、短いあいさつの言葉だけを交わし、30秒ほどで終わった。
待機児童対策や介護問題、首都直下地震の対応、東京五輪・パラリンピックの費用負担――。都政の課題は山積みで、いずれも知事としての手腕が問われる。ある都幹部は「政治とカネの問題で2代続けて短命政権だった。『三度目の正直』で、できる限り協力したい」。別の都幹部は「多くの支持を集めた分、公約を果たすかどうか都民は厳しく監視するだろう。自民とどう渡り合うのか、本当に改革できるのか。いきなり厳しい状況に立たされていると思う」と話した。
■都政をめぐる今後の主な予定
【2016年】
8月2日 小池知事、初登庁
5日(現地時間) リオ五輪開会式
21日(同) 同閉会式。五輪旗の引き継ぎで知事出席予定
9月7日(同) リオ・パラリンピック開会式
18日(同) 同閉会式(パラリンピック旗の引き継ぎ)
28日 都議会第3回定例会開会予定。新知事の施政方針演説
11月7日 築地市場から移転し、豊洲市場開場
12月上旬 都議会第4回定例会開会予定
【2017年】
1月 17年度当初予算原案を公表
2月 当初予算案などを審議する都議会第1回定例会開会予定
6月か7月 都議選