被爆から約1カ月後に朝日新聞の故松本栄一カメラマンが撮影したカンナ
「75年間は草木も生えない」と言われた広島でその年の秋、新しい命が芽吹きました。生命の気配さえ失われた大地に緑がよみがえったのです。新しい命から人々が取り戻したのは、生きる勇気と希望でした。(俳優・吉永小百合さんの言葉)
二階堂和美さん「希望もらった」 広島に咲くカンナ歌う
原爆資料館にカンナの写真展示 元館長「希望感じて」
8・6「原爆の日」まとめ読み
特集:核といのちを考える
終戦の年に生まれた俳優の吉永小百合さんが、穏やかながらも力強い言葉で訴えかける。被爆者の遺品や写真を展示し、核兵器の悲惨さを世界中の人々に伝えてきた広島平和記念資料館(広島市中区)の音声ガイド。最後の展示を締めくくる「焦土に咲いたカンナの花」には、見学者へのメッセージが込められている。
被爆から約1カ月後、朝日新聞の松本栄一カメラマン(故人)が撮った写真だ。廃虚の中、流布されていたうわさに反し、芽吹いた青、花々の彩りは、復興に向けて立ち上がった多くの人たちの心を励ましてきた。展示を見終え、窓から見える平和記念公園の緑を眺めると、平和の大切さが身に染みる。
「草木は生えました。でも、放…