男子81キロ級3位決定戦で、チリキシビリ(右)を破り銅メダルを獲得した永瀬貴規=竹花徹朗撮影
前日、圧倒的な攻撃柔道で男子73キロ級を制した大野が言っていた。「あいつはおれでも投げられない」。旭化成の後輩にあたる81キロ級の永瀬のことだ。しかし、リオでの戦いぶりはもろかった。
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柔道男子81キロ級、永瀬が銅 女子・田代はメダル逃す
トマ(アラブ首長国連邦)との準々決勝は、接近戦となった。長いリーチで距離を保ちたい永瀬にとって、できれば避けたい相手の土俵だ。3分4秒。もたれてきた相手に横向きに倒され、有効を取られた。
「ある程度の技は耐えられる自信があった。弱さが出てしまった」。追う展開になると、強烈な攻め手を持っていない永瀬はきつい。前に出て圧力をかけて、審判がトマに指導を与える状況を3度作るのが精いっぱいだった。
最も層が厚いとされる81キロ級で2015年世界選手権を制した。22歳は当然のように、世界の柔道家たちの目標となった。
2月、パリでの国際合宿。周囲の視線は気にしない性格だが、「なんか見られている感じはする」と言っていた。長所の一つである組み手の巧みさは研究され、この日の準々決勝では優位に試合を進められなかった。
敗者復活戦を勝ち抜いての銅メ…