ベンチ入りできなかった3年生から贈られた色紙を持つ東邦の選手たち=大阪市内の宿舎
八戸学院光星(青森)との2回戦を14日に控えた愛知代表の東邦。3年生の選手たちの勝利へかける思いを、より強くさせているものがある。ベンチから外れた同級生からサプライズで手渡された色紙だ。
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「日本一の主将になってくれ」「つらい時はスタンドを見ろ」。主将の藤嶋健人君(3年)が甲子園に持ち込む色紙には、仲間からの熱いメッセージが並ぶ。
書いたのは、愛知大会のベンチから外れた3年生の選手と女子マネジャーの計19人。背番号をもらった14人に、一言ずつ寄せた。
愛知大会初戦を翌日に控えた7月20日。3年生全員が学校に集まった。その場で19人が取り出したのが、この色紙だった。発案者で、応援団長を務める岡本昌幸君(3年)から手渡された藤嶋君は「予想もしていなかった」と涙した。他のメンバーも仲のいい選手から手渡され、泣いた。
「しっかり打てよ!」。兵庫県西宮市内のグラウンドで12日、次戦に備えて練習するメンバーに、岡本君たちが大きな声をかけていた。用具の準備や球拾い、そして応援。甲子園に随行したベンチ外の部員は裏方に徹し、チームを支える。
岡本君は「俺たちの気持ちも背負って戦ってほしかった」と色紙に込めた思いを語る。藤嶋君は「『頑張らないと』という気にさせられる。あいつらのためにも負けられない」と勝利を誓った。(関謙次)