花咲徳栄―作新学院 二回裏作新学院2死二塁、入江は左越えに2点本塁打を放つ=内田光撮影
(17日、高校野球 作新学院6―2花咲徳栄)
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勝敗を決定づける一発は序盤の二回に飛び出した。
作新学院が3点を先取したあと、3番入江が左翼席へ運んだ2点本塁打。
「大きかった。1点勝負と思っていたので」と小針監督が喜べば、先発の今井は「早い回のビッグイニングで、気持ち的に楽に投げられた」と感謝した。
作新の今井と花咲徳栄の高橋昂。右左の大型投手対決が予想されたが、すでに2試合を完投した高橋昂は先発しなかった。「1、2点差で六回から高橋を投入し、追い上げる形にしたかった」と岩井監督は言う。
しかし、二回に作新打線が先発・綱脇をとらえた。3点先行して右打席に入江が入るとき、高橋昂が左腕をグルグル回しながら一塁側ブルペンへ向かった。
「高橋が出てくる前に点差をつけたい」。1―1から高く入るスライダーをとらえる。「手応え十分」という打球は高々と左翼席へ伸びた。入江の2試合連続本塁打は、初戦に続いてダメ押しの一打となった。
5点をもらった今井は伸びやかに腕を振った。四回から登板した高橋昂も力強い投球を見せた。中盤以降の得点を比較すれば、作新は1―2と劣勢になる。もし点差が3点しかなかったら、今井にかかる重圧はさらに大きかっただろう。
横浜の藤平、履正社の寺島に続き、評判の好投手が先発を回避して敗退した。やがて作新にも、悩ましい局面が来るかもしれない。
「いつでも投げられる準備はしています」。殊勲の入江は、投手でもある。(編集委員・安藤嘉浩)
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○小針監督(作) 今井について「制球を意識しながら打たせてとる投球ができていた。切れ目のない打線を相手にバックを信じてよく投げてくれた」。
○今井(作) 2試合連続の完投。最速152キロを計測。「いい状態を保てている。球速よりも勝つこと。今から次の試合の準備が始まっている」