コロンビア柔道代表チーム監督を務める早川憲幸さん=ブラジル・リオデジャネイロ
日本選手の活躍が続くリオデジャネイロ五輪。競技会場には、海外選手を指導する日本人もいる。スポーツの喜びを広げようと海を渡った人たちだ。恵まれない境遇の選手たちと追う夢は、4年後の東京五輪へとつながっている。
●コロンビア
柔道女子70キロ級の決勝があった10日、田知本(たちもと)遥の金メダル獲得に沸く会場で、決勝で田知本に敗れたコロンビア代表、ジュリ・アルベアル(30)の肩にそっと手を添える人がいた。早川憲幸さん(35)。コロンビアの柔道チームの監督だ。
埼玉栄高校、明治大学の柔道部で活躍し、卒業後は消防などの仕事に就いたが、指導者が不足するコロンビア柔道界に乞われ、2009年に代表監督になった。
内戦などによる治安の悪化で指導者の引き受け手がなく、五輪のメダルから遠のいていた。早川さんは日本流の厳しい指導を持ち込み、ロンドン大会でアルベアルを銅メダルに導いた。今大会は「日本人に勝って金」を目標に掲げて臨んだが、果たせなかった。
試合を終えたアルベアルに早川…