花咲徳栄―日本航空石川 七回表花咲徳栄2死、野村は左越えに本塁打を放つ=奥田泰也撮影
(16日、高校野球 花咲徳栄9―3日本航空石川)
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■花咲徳栄・野村佑希
先輩が打たせてくれた一発だ。先発メンバー唯一の2年生で4番に座る。
七回2死。「スライダー一本で待っていました」。そこに、それがきた。振り抜いた球は左翼席へ。「(本塁打を)欲しがって、狙っちゃいました」。何度も拳を突き上げて、ダイヤモンドを一周した。「しばらく打ててなかったので、うれしいです」
埼玉大会。3年連続で夏の甲子園に出場する強豪の4番なのに本塁打はゼロ。不調を救ってくれたのが、今大会の注目打者で埼玉大会4本塁打の西川(3年)だ。打撃フォームに助言をくれ、練習も一日中付き合ってくれた。移動のバスは隣に座り、春先の遠征で海を散歩した時に撮った写真は「いい思い出」だ。「西川さんに色々教えてもらって調子が戻った」。1回戦は4打数3安打だった。
四回の好機はそんな先輩が勝負してもらえずに回ってきた。しかし、投ゴロで凡退。ベンチで「そろそろ打ってくれよ」と言われた。その直後に本塁打。「西川さんとの夏をまだ終わらせたくない」。思いの詰まった一発で3年連続16強入りだ。(大西史恭)