17日のレッドソックス戦に先発したエンゼルスの大谷=AP
エンゼルスの大谷翔平が大リーグにデビューして、まもなく1カ月を迎える。現在、2勝1敗、打率3割3分3厘、3本塁打。上々のスタートを切った投打「二刀流」の実力を、大リーグ独自の解析システム「スタットキャスト」のデータから確認する。
決め球、少ない回転数
ボールの回転数は直球の伸び、変化球の曲がりなどに影響するとされ、スタットキャストでは1分間あたりの回転数が明示される。大谷の決め球、スプリット(日本でのフォーク)は回転数が少ないほど大きく落ちるという。
12奪三振だった8日(日本時間9日)のアスレチックス戦は最少963回転。大半が1000から1200回転で、実際に大きな落差で打者を手玉にとった。一方、二回で降板した17日(同18日)のレッドソックス戦は最少1103回転。1400、1500回転の球も多く、不調が数字から見て取れる。
フォーシームと呼ばれるきれいな球筋の直球は、3000回転に近いと空振り率が高くなり、2000回転以下だと、ゴロが増えるという。大谷は平均2206回転。フォーシームで三振を奪える投手は平均回転数が多く、大谷と同じ右投手では、バーランダー(アストロズ)が2623回転、シャーザー(ナショナルズ)が2532回転。ダルビッシュ(カブス)も2548回転だった。
大谷は日本ハム時代の2016年、クライマックスシリーズのソフトバンク戦で自己最速の165キロを3球記録したとき、空振りは1球で、2球はファウルにされた。大谷の直球の特徴が、この回転数にあるのかもしれない。
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