女子58キロ級で4連覇し、母親の遺影を胸に抱き、姉の千春さん(左上)と話す伊調馨(中央)=17日、カリオカアリーナ、林敏行撮影
「こんなにも天を見上げたオリンピックはなかった」。17日、レスリング女子58キロ級で4連覇を成し遂げた伊調馨(かおり、32)は、亡くなった母トシさん(享年65)と一緒に戦っていた。
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伊調馨、五輪初の女子個人4連覇 レスリング58キロ級
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今日、何度目になるだろう? コブロワゾロボワ(ロシア)との決勝を前に伊調は天を仰ぎ、母に誓った。「見ててね。絶対に金メダルをとるから。良い試合するね」
別れは突然だった。2014年11月、青森県八戸市の実家にいた母は朝、ゴミを捨てに外へ出た。10分ほどしても戻らず、父春行さん(65)が様子を見にいくと、玄関の前で倒れていた。転倒による頭からの出血がひどく、東京から伊調が駆けつけたときには手遅れの状態だった。数時間後、息を引き取った。
「勝ってこい」といつも送り出…