弾劾裁判が開かれた29日の上院本会議で、議員の質問に答えるルセフ大統領=ブラジリア、田村剛撮影
ブラジル政府の会計を粉飾した罪に問われたルセフ大統領(68)の弾劾(だんがい)裁判は30日も上院本会議で続き、有罪か無罪かを問う採決は31日に行われる見通しとなった。上院の全議員81人のうち3分の2(54人)以上が有罪と判断すれば、ルセフ氏は罷免(ひめん)される。地元有力紙の調査で有罪支持がすでに54人に達し、罷免は濃厚との見方が強まっている。
弾劾法廷が設けられた上院本会議では30日、各議員が有罪判決の是非をめぐって最終意見を陳述した。1人10分間の陳述を60人以上が希望しており、その後の採決が31日未明(日本時間同日午後)以降になるのは確実な状況だ。
ルセフ氏が問われているのは、財政赤字を実際より少なく見せるための政府会計の粉飾と、議会の承認なしで行った会計操作の罪。29日には、ルセフ氏が初めて上院に出廷し、無罪を主張。「罷免のためでなく、民主主義のために票を投じてほしい」と訴えた。傍聴席にはルセフ氏の後ろ盾である政界の実力者ルラ前大統領が駆けつけ、有罪判決反対の支持を求めて奔走したが、大勢を変えられないまま有罪判決が下されるとの見方が広がっている。
地元有力紙フォーリャ・デ・サ…