企業が主に従業員向けに整備する「企業主導型保育所」の150施設(定員3887人分)に対する国の助成が決まった。内閣府が6日、1次募集の結果を公表した。待機児童の解消に向けて今年度に新設された制度に基づく認可外の保育施設で、政府は17年度末までに5万人分の整備を目指している。
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1次募集は5月16日~6月30日に行い、311施設から申請があった。審査を終えた施設の整備費の4分の3を助成するもので、計76億円になる。企業や病院などが事業所内に設置するほか、従業員が住む住宅街や駅の近くに整備したり、商業施設や空港内に設置してテナントが共同で利用できたりする保育所もある。
だが、待機児童の3分の1以上を占める東京都内では6施設(定員127人分)にとどまった。加藤勝信・1億総活躍相は閣議後の記者会見で「都市部では土地や物件の確保が難しく、時間がかかっていると聞いている」と説明した。募集は随時受け付けており、2カ月ごとに審査する。
企業主導型保育所は保育士の配置基準が認可保育所よりも緩く、保育の質の低下を懸念する声もある。これについて、加藤氏は助成決定の実務を担う公益財団法人児童育成協会(東京都渋谷区)が計画的に指導監査をする体制づくりを早急に進める考えを示し、「予算上の手当ても含めてしっかりとした対応を図っていきたい」と述べた。(伊藤舞虹)