リオデジャネイロ・パラリンピックに向け追い込みの練習をする山本浩之さん=長崎県諫早市
リオデジャネイロ・パラリンピックに向け、「中年の星」が最後の仕上げをしている。車いすマラソンの山本浩之(50)=福岡市。同年代の人たちのため、そして亡き長男のため。3度目の大舞台でメダル獲得に挑む。
リオパラリンピック2016
8月中旬、長崎県諫早市。視界の果てまで平地が広がる干拓地を、山本が競技用車いすで疾走していた。平地の多いリオを想定し、この場所を開幕直前の強化合宿地に選んだ。
車いすマラソンは42・195キロ。トップ選手のスピードは平地なら時速40キロ以上に達する。日本パラ陸上競技連盟によると、世界で活躍する車いすマラソンの選手は20~40代が中心で、50歳は過去の日本代表でも最高齢。だが、山本は「坂が多いと体力や腕力がある若手に有利だが、リオはメダルのチャンスがある」と話す。集団にいて風をよけ、体力を温存しながら最後に抜け出す駆け引きも重要だという。
20歳のとき、バイクを運転中…