25年ぶりの優勝を決め、胴上げされる広島の新井=上田潤撮影
(10日、広島6―4巨人)
広島カープがリーグ優勝 25年ぶり7度目
特集:広島カープ
みんなに愛され、緒方監督も「新井さん」と呼ぶ39歳が泣いた。「黒田さんが号泣されてたんで、それを見て号泣してしまいました」。監督、黒田の次に胴上げされた。
打点王争いトップをひた走る男が、この日は5打数無安打。それでもチームを引っ張り続けてきた功績はなんら色あせない。
広島で生まれ育った。大卒にもかかわらず、ドラフト6位という下位でカープに拾われた。そこからは死にもの狂いの努力、努力。体が丈夫だったから、プロで成長できた。2007年オフにフリーエージェントで阪神に一度は行ったが、昨年ふるさとに戻った。
今季は2千安打に300本塁打を達成。若手を食事に連れ出しては語り合い、独走で緩みがちなチームを引き締めた。「記録を達成したときとは、うれしさが全然違います。今日が最高にうれしいです」。不器用なたたきあげの男が、満面の笑みで言った。