畑の地面から水が噴き出した跡=宮崎県延岡市北川町長井
台風16号の水害を軽減したとして注目された宮崎県延岡市北川町長井の北川の霞堤(かすみてい)で、川の水が堤防の地下を通じて周囲の田畑に漏れ出していたことが24日、わかった。冠水した田畑の水が引いた後に多数の穴が見つかった。このまま放置すれば大雨時の漏水で堤防の地盤が沈み、堤防が決壊する可能性もあるといい、県は対策を検討する。
霞堤は切れ目のある堤防で、川の増水時にそこから水を田畑に逃がして洪水を避ける古来の治水技術。田畑は緩やかに冠水して緩やかに水が引くため、被害を抑制できる。今回、町内の被災率(全戸数に占める建物被害戸数の割合)は1%未満で、霞堤も被害軽減に一役買ったとされている。
だが、北川の霞堤の一部がある川坂地区では、水が引いた田畑から大小の穴が多数見つかった。川坂大橋に近い堤防沿いのダイコン畑では約70平方メートル内に、すり鉢状に盛り上がった穴が40個ほど確認された。田んぼでは縦横とも最大2メートル以上が50センチほど陥没。いずれも直径数センチの穴を中心に広がっていた。
県延岡土木事務所によると、大…