自動車メーカーのマツダの社員寮(広島市)で同僚の菅野(すがの)恭平さん(19)を消火器などで殴って殺害して現金などを奪ったとして、強盗殺人容疑で逮捕された社員の上川傑(すぐる)容疑者(20)が「素手で殴った後、消火器を取りに行った」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。菅野さんは頭部に繰り返し暴行を受けており、広島県警は強い殺意があったとみている。
上川容疑者は14日午後3時35分ごろ、同市南区向洋(むかいなだ)大原町にある「大原寮」の非常階段2階踊り場で菅野さんを襲ったとされる。まず、素手で殴って消火器を取りに行き、さらに殴ったとの趣旨の供述をしているという。
凶器として使われたとみられる消火器は、現場の非常階段の近くにある寮2階の廊下に設置されていた。事件後、消火器は元の位置に戻されていたが、菅野さんの血液が付着していたという。
県警は25日、上川容疑者を強盗殺人容疑で広島地検に送検した。県警は、菅野さんが事件直前に複数の金融機関で下ろした計約120万円を上川容疑者が奪ったとみて、殺害に至る経緯を調べている。