ベトナムで販売されている即席麺。ラーメンのほかにベトナムの国民食「フォー」やうどんなどもある
世界有数の「即席麺大国」ベトナムでは、日本の大手食品メーカーが高いシェアを占めている。手ごろな袋麺に加えて、比較的高価なカップ麺の売り込みにも力を入れ始めた。経済成長で生活スタイルが変わるのに合わせて、市場を開拓しようとしている。
かやく入りは充実のアピール ベトナムのカップ麺事情
即席麺市場でシェア5割超を誇るのがエースコック(本社・大阪)の現地法人であるエースコックベトナムだ。7月から新たなカップ麺「ハンディハオハオ」を売り始めた。これまでよりも肉や野菜などのかやくの量と質を充実させた。価格は8千ドン(約36円)と、3500ドン(約16円)程度の袋麺の倍以上する。ベトナム最大の都市ホーチミンや首都ハノイなどで売り始めて、10月から販売網を全国に広げる。
エースコックベトナムの新鋭工場は、ホーチミン中心部から車で40分ほどの工業団地にある。麺を揚げる油と魚醬(ぎょしょう)の香りが漂う建屋内の三つの製造ラインのうち、一つがカップ麺専用だ。このラインではハンディハオハオなどカップ麺を、年間で最大1億8千万食つくる能力がある。来年には、ベトナム北部で新たなカップ麺の製造ラインをつくる。
これまでの主力商品は、200…